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2010 Apr 23
詩集『すこやかの光景』より 1
ゆうべ
河村靖子
デイルームの窓は
夕日で いっぱい
老人の背中が 並んでいます
骨ばった背中から
丸まった背中から
流れてくる 紅く焼けた雲のような
ことば に
老人病院のスタッフは
いつも 立ちすくむのです
ゆるやかな 夕日の色は
時々
とても 痛いのですから
明日への不安を抱きながらも、老人達は精一杯、今日一日を受け止めています。何とか解り合いたい、寄り添いたいとのスタッフの気持も、すれ違う事も多い・・・。それでも、そのくり返しの時間の積み重ねが、お互いの距離を縮めてゆくのです。 (河村)
(注) 河村さんは2年前まで浜松市内のお年寄りのための医療機関でソーシャル・ワーカー
として勤務し、お年寄りやそのご家族の相談に携わってきました。退職後はいくつかの
病院や老人ホームを定期的に訪れて、朗読活動を行っています。若い頃から詩作をつ
づけ、詩集や同人誌に詩を発表しています。

